ながれ　105㎝　昭和エレジー超撥水風呂敷「ながれ」　平織

濡れない風呂敷「ながれ」

嘘のように水をはじく、魔法のような超撥水風呂敷。創業120年以上の歴史がある、群馬県の朝倉染布株式会社が製造し、2011年にはグッドデザイン賞も受賞したアイテムです。

この超撥水風呂敷「ながれ」は、水がかかっても、まるでハスの葉の表面を滑るように水滴が転がります。文字通り「超」がつく撥水性により、包んだものが濡れないのはもちろん、濡れたものを包むこともできます。

もちろん、はじくのは真水だけではありません。お茶やジュースといった飲み物も大抵はじくことができるので、普段はテーブルクロスやランチョマット、お食事のひざかけなど、様々な用途で活用できます。小さなお子さまがいるご家庭にはピッタリです。

折り方、結び方の工夫で簡単なバッグとしても使えるので、レジ袋替わりに食料品を運ぶことも。風呂敷の中で、冷たい飲み物が結露したり、飲みかけのペットボトルの蓋が空いてしまっても問題ありません。

また、裏面も水をはじくので、中身を濡らさず運べるだけでなく、水そのものも漏らさずに包むこともできます。災害時にはその機能が大活躍。約10リットルもの水をバケツ替わりに運ぶことが可能です。非常時の生命線ともいえる水の運搬が、風呂敷一枚でできてしまいます。

「撥水」生地は「防水」生地とは違い、水をはじきながらも空気は通します。通気性にも優れているので、水を包んだ状態でギュッと絞れば、シャワーのように水を降らせることができます。非常時に水を無駄なく使えるうえに、シャワーで髪を洗うという行為そのものが、日常生活に近い感覚をもたらし、精神的な安定につながります。普段は、植木の水やりなどにも使えそうです。

超撥水は「水滴が面に対しておおよそ150°を超える接触角で接する現象」のこと。オムツカバーの技術を発展させ、世界トップスイマーの水着にも利用されている朝倉染布独自の超撥水加工は、洗濯耐久性が高く、50回の洗濯後でも撥水性能がほとんど低下しません（※）。

そもそも風呂敷の由来は江戸時代まで遡り、風呂に入る際に、身の回り品を四角い布で包んだことが起源とされています。入浴中は、濡れては困る着替えを包み、入浴後は、濡れた手ぬぐいやタオルを包む。形だけみると、ただの四角い布。しかし、風呂敷は包み方、結び方次第で「ハレ」にも「ケ」にも性質が変化します。さらには、大切な贈答品を包むものもあれば、普段使いのものも。中央アジアや中南米などにも四角い布はありますが、風呂敷の用途や性質には日本独自の文化が息づいています。

撥水加工が施されたことで、災害時に何よりも大切な水も運べる超撥水風呂敷「ながれ」。折りたためば軽量かつコンパクトになるので、急な夕立の傘がわりとしても、バッグに忍ばせておきたいアイテムです。

※JIS L 1092の撥水度試験（スプレー法）にて４級以上